福岡市内から車で約1時間、筑前の小京都と言われる秋月へ行ってきました。
城下町として栄えた歴史を持つ秋月、現在でも城館跡、武家屋敷、町屋などの建物があり、当時の面影を随所で肌に感じることができます。また、春は桜、秋は紅葉が有名で、多くの方が訪れる人気の観光スポットです。
そんな昔ながらの面影が残る秋月を訪れた目的は、紙漉き体験。昔ながらの手法で和紙を造り続けられている「筑前秋月和紙処」さんへお邪魔しました。
江戸時代から秋月に伝わる「秋月和紙」
江戸時代の中頃から、藩の奨励をうけ、盛んに生産されていた秋月和紙。しなやかで強いのが特徴、当時は髪を結う元結として重宝されていました。その伝統を引き継ぎ、昔ながらの手法で和紙を造り続けているのが「筑前秋月和紙処」さんです。
20軒ほどあった紙漉き屋も、今では「筑前秋月和紙処」さん1軒のみ。
明治9年(1896)創業の「筑前秋月和紙処」、昔から伝わる手透きという製法で紙を作られています。今回は工房の見学もさせて頂いたので,少し詳しく紹介します。
原料の「コウゾ」の木
コウゾの皮を煮るのは大きい羽釜
大きな水槽、ここでコウゾを流水の中に浸します
煮て漂白しないと、白い紙はできません
繊維を細かく断ち切る機械
叩いて細かくする機械
水槽の中には細かくなったコウゾと糊、この水槽で紙漉きをおこないます。
吊るされた棒がでている板を何度も往復させ、コウゾと糊と水をしっかりかき混ぜます
簀桁を揺り動かして繊維を絡み合わせます
漉いた紙を積み重ねて脱水
脱水後、乾燥です
この一つひとつの工程をゆっくり、分かりやすく説明して頂きました。
簀桁を揺り動かし、いざ、紙漉き体験!
「上から紐で吊ってあるので、腕に力を入れなくて大丈夫だよ」とのことで、軽めに握っていました。
簀桁にコウゾと糊が混ざった水をいっぱいに汲むと、想像以上にずっしり。
「こんなふうに動かすよ。」と支えてくださってた手がなくなると、これまた重く感じる。
言われた通り、力を入れすぎず、揺り動かしてみると、意外に重くない。
不思議な感覚。
揺り動かすたびに、中の水が減っていき、平たい繊維が一面に。かなり厚めですが。しかも均一に広がってないって言う(笑)
自分で漉いた紙は、乾燥後に送って頂くこともできますよ。
今回の体験で、久々に実感しました。「何事も体験してみないとわからない」
どんなに話を聞いても、どんなに頭の中で想像しても、体験に勝るものはありません。工房見学から体験を通して、手透き和紙の素晴らしさを実感することができました。
白い和紙以外も、紅葉や珈琲、葛が入った和紙や、色のある手透き和紙も「秋月和紙処」さんでは作っています。
書道家の方が多く愛用されているそうです。薄い和紙や厚い和紙、柔らかい和紙や固い和紙、他の物が混ざった和紙など種類が豊富です。お好みの和紙を見つけてください。
秋月で、紙漉き体験ができるのは「筑前秋月和紙処」。
ご希望の方はお問い合わせを。
↓ ↓ ↓
福岡県朝倉市秋月424-2
TEL 0946-25-0517
OPEN:10:00~17:00(火曜定休)
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